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山内 宏樹
no journal, ,
正方晶NdBは、面内の希土類イオンの配置が、正方格子と三角格子からなるShastry-Sutherland格子(SSL)と幾何学的に等価であり、SSLに由来する幾何学的フラストレーション、磁気双極子、電気四極子の各相互作用の競合などの効果が磁性に及ぼす影響に興味が持たれる物質である。 K、 K、 Kに観測される逐次転移の機構を解明するために中性子回折実験を行った結果、中間相(, II相)では、 = (0, 0, 0)の磁気散乱を観測した。さらに低温の相(, III相; , IV相)ではに加え、それぞれ (, , 0.4) ( 0.14)、 (0.2, 0, 0.4)の磁気散乱が発達することを見出した。群論的手法を用いてII相における磁気構造モデルの構築を試みた結果、結晶空間群およびで得られる12の既約表現のうち、面内に磁気モーメントの成分を持つ、ある特定の基底構造ですべての磁気散乱が説明でき、かつ、一義的に決まることを明らかにした。
井川 直樹
no journal, ,
燃料電池用プロトン伝導体・BaSnInOの平均および局所構造を中性子回折法によって解析した。中性子回折データから得たBaSnInOの原子対相関関数について、平均結晶構造解析から得られた空間群-3を用いた結晶構造を基にしたフィッティングを行い、比較的良い一致をみたが、原子間距離が短い領域になるに従ってそのずれが増大した。本解析によって、局所的にはわずかに軸方向に伸びた正方晶構造をとること、さらに、酸素は面心位置を中心に4つのサイトへとディスオーダー化し、これを基に局所的な乱れが発生していることを示唆する結果を得た。
大澤 崇人
no journal, ,
現在、小惑星探査機はやぶさ2は、生命の起源を探るため、水や有機物に富むと考えられる小惑星リュウグウへ向けて航行中である。はやぶさ2には各種観測機器が搭載されているが、本発表では発表者を含むチームが運営する赤外分光分析装置(NIRS3)を紹介する。NIRS3は3m帯の観測が可能であるため、小惑星表面の水の存在状態を明らかにすることができる。観測は2018年に行われる予定である。小惑星での観測に先立ち、打ち上げ前に実機を用いた隕石の反射スペクトルの測定を開発元の企業行った。実機での結果を元に、データの補正方法や解析方法を検討した。2年後の観測に向けて準備が進められている。
武田 全康
no journal, ,
日本原子力研究開発機構(JAEA)から量子科学技術研究開発機構(QST)への量子ビーム応用研究の一部業務分離・移管後に、主として中性子と放射光を利用した物質科学研究の推進を目的としてJAEAに発足した物質科学研究センター(MSRC: Materials Sciences Research Center)の概要を説明するとともに、そこで行われている物質科学研究の中から特に物性研究のトピックスを取り上げ、今後の展望を含めた現状を報告する。
久松 秀悟; 鈴木 伸一; 矢板 毅
no journal, ,
極微量核種を検出するために増幅機能を備えた新しいセンサー系を考案した。このセンサー系は「認識」,「増幅」,「化学発光」の3成分で構成されている。これらの3成分は化学反応で連結され、媒介物質を介して連続的に引き起こされる。今回、媒介物質にフッ化物イオンを用いることで「増幅」から「化学発光」への過程について重点的に研究を行った。この増幅機構は自己分解システムに基づいて行われ、本来検出できない濃度のフッ化物イオンであっても、化学発光として検出することを可能とした。また化学発光性原料とフッ化物イオン増幅剤の混合には、最適な混合比があることが実験結果より示唆された。
土井 玲祐
no journal, ,
処分場環境下におけるセレン(Se)の溶存種がHSe, Seのいずれなのかを熱力学計算により評価する場合、評価結果の信頼性を直接左右する標準熱力学データはHSe/Se系の標準電極電位である。そこで、当該電位値を取得することを目的としたサイクリックボルタンメトリーを実施した。溶液バルクの酸化還元電位を制御することでSe溶存種をHSeにした後にサイクリックボルタンメトリーを実施し、(Se + 4H + 6e 4HSe)反応によるボルタモグラムを取得した。このボルタモグラム上の半波電位のNa濃度依存性から目的の電位値を取得した。
熊田 高之
no journal, ,
軟X線レーザーを用いた時間分解反射型X線小角散乱装置を構築した。今回はポンプ光を同期させずに赤外・可視光用回折格子を用いて散乱パターンを測ったところ理論予測どおりの散乱パターンが得られた。一方で縞状パターンがあらわれた高強度フェムト秒レーザーの集光スポットの散乱を測定したが、測定に用いた軟X線用CCDカメラの熱ノイズ以上の信号は得られなかった。今後の開発に向け、CCDカメラの選定が重要になる。
熊田 高之
no journal, ,
構造研究に用いる冷中性子の軽水素核に対する散乱能は両者の相対的なスピン方向に強く依存する。そのため、水素を構成元素に持つソフトマテリアル複合材料の構造解析においては、試料の水素核偏極度を変えながら複数の偏極中性子散乱プロファイルを測定し、それらを総合的に解析することで単一測定では得られない成分毎の構造情報を得ることができるようになる(スピンコントラスト法)。我々は本手法を中性子反射率測定と組み合わせ表面構造の解析に広げようと考え、核スピン偏極装置の開発を行った。ポリスチレン標準試料を用いて測定したところ、新装置の偏極度はマイクロ波強度とともに増大し12%まで達したが、それ以上の強度では減少してしまった。これは、マイクロ波入射に伴う試料の温度上昇により核緩和速度が増大したためであると考えられる。偏極度12%はスピンコントラスト実験が可能な偏極度であるが、2017年3月のマシンタイムまでにもう少し上げたいところである。